2017年8月27日、怒田沢集会所「青葉の館」にて開催された「第2回農村舞台寶榮座保存活用ワークショップ」。地域の文化資源である寶榮座の未来を構想するこの集まりは、講演・放談・交流を通じて、農村舞台の意義を多角的に見つめ直す機会となった。
カテゴリ:仕事|投稿日:2017年8月27日
【出典:農村舞台寶榮座HP】
開催概要とプログラム
この日行われたワークショップは以下の三部構成で進行された:
- 青木会長による開会の挨拶
- 蒲池卓巳氏による講演「地域と歩む農村舞台」
- 「協議という名の放談」と題された意見交換セッション
会場には地域住民をはじめ、表現者や文化活動に関わる多様な参加者が集まり、熱のこもった対話が繰り広げられた。
蒲池卓巳さんによる講演:全国の事例と寶榮座の未来
講演では、全国各地の農村舞台の実情が紹介された。
地芝居と農村舞台の関係性や、買い芝居と地芝居の違い、各地で実践されている保存・活用の方法などが語られた。特に、保存会と上演団体が役割を分担して運営する群馬・上三原田の事例、地元と外部人材をつなぐ小豆島や西塩子の取組などは、寶榮座の今後に示唆を与える内容だった。
また、「舞台と観客が地続きである」という農村舞台の本質が、現在の舞台芸術にも示唆を与えると強調された。
放談セッション:対話から未来の構想へ
講演後の放談では、以下のような印象的な提言があった:
- 蒲池さん:「考えるだけではなく行動を」「観客の視点を橋渡し役として取り込む」
- 石黒秀和さん:「地域全体が舞台となり得る」「寶榮座は表現者にとって貴重な場」
- 亀田恵子(筆者):都市生活で失われた日常感覚が怒田沢には豊かにある
また、地元の寶榮座がすでに「農村舞台アートプロジェクト」や買い芝居といった挑戦的な方向性を備えていることも再確認され、寶榮座の個性と未来性が共有された。
終わりに:舞台をつなぐ季節の予告
このワークショップの延長線上に位置する舞台公演が、2017年10月8日に開催予定。京都の舞踏家・今貂子さんを招いて、農村舞台アートプロジェクトが怒田沢へ。集落の自然と舞台芸術の邂逅が、静かにそして鮮やかに訪れる予感に満ちている。
関連情報
- 公演日:2017年8月27日
- 会場:寶榮座(愛知県豊田市)
- 主催:農村舞台寶榮座協議会
- 出典:寶榮座公式サイト/執筆:ATL
(文責:Art&Theatre→Literacy・農村舞台寶榮座協議会 亀田恵子)
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